ナイスな文化と失礼のない文化
ナイスであること。
オーストラリア含め、多分欧米圏では比較的一般的なことなんだと思う。アメリカやら英語圏に住んでたらこうだった、みたいなブログはたくさん見てきていて、斬新さもなくなるほどねって感じだけど。一応自分の個人的な、ごくごく主観的な見方も添えてここでも触れておこうと思う。
朝、ただすれ違っただけの人とも軽く挨拶する。
ちょっとぶつかりそうになったら、Sorry. Excuse meと一言いう。
バスを降りるときには運転手さんにThank you!と言ってから降りる。
エレベーターで一緒になれば手短な会話がはじまる。
ドアを開けた後、後ろに続く人が居れば開けて待ってあげる、それに対してThanks. Cheers.と返すことがほとんど。
その日に同僚に初めて会った時には、ごく簡単な近況報告(How are you? How was the weekend? What's going on?とかなんでも、軽く)がある。
こちらはナイスなコミュニケーションが溢れている。
そんな光景を見てきてまず一つ感じるのは、欧米圏の方がコミュニケーションを取る人の範囲が広いということ。上記のようなナイスなコミュニケーションは本当に赤の他人とでも、ごく些細なきっかけでも行われている。
礼儀正しい日本の文化がナイスでないことは全くないのだが、ちょっとナイスの適応範囲は狭いかなと感じる。その分その範囲内ではきっちり行われるイメージ。
例えば挨拶は最低限の礼儀、なんて言われる。
会社なんかでは出社時には少なくとも目上の人全員に挨拶して回ってから業務に取り掛かるなんてのも普通かな?
そして、最後に必ずお疲れ様でした、と言って(回って)から去る。
こちらでは逆に、「お疲れ様でした」に相当するものは明確にはなく、
See you/ya.
Have a good one (or a nice evening, a great weekend, etc...).
なんかを言って去ることが多い。
それに何も言わないことも割と普通。
そういえば、お土産の文化もこちらはそれほど強くない。日本だと休暇なんかで旅行や帰省した際にはお土産をほぼ確実に配るもの。
でも、こっちでは職場でそういうのはむしろ少ないかな?自分の周りしか知らんけど。
ただ逆に、すれ違ったりエレベーターで一緒になっただけでコミュニケーションが生じることは少ないだろう。むしろそれだけで声かけたら気味悪がられるような。
あと東京特有かも知れないけど、電車とかで無言で押し合ったりしてるのとか...一言すいません、とかあっても良いじゃんて。
この辺りはもうちょっと、日本も欧米圏のように他人ともう少し気軽にコミュニケーション取るようになれば、ナイスになれば良いのになぁと感じるところである。
一方で、最近感じてきているのは、欧米圏のこのナイスな文化において、ナイスでなければ快く受け入れてもらえない、ということ。
ナイスでなくとも失礼にはならない。自分はやはり礼儀正しい方だろう。
でもナイスでないと、なんだかとっつきにくい人、となってしまう感じ。
こちらの人のナイスなコミュニケーションは本当にナイスだ。
朝、同僚と会えばHow are you?から鮮やかに数分程度で笑いのある会話が生まれる。
逆にこれをGood, thanks.だけで切ってしまうと、それはナイスでない。
自分の直近をほんのり付け足したり、相手の様子を聞いたり。内容は仕事と関係なく。できればジョークも交えながら。
...それはそれで大変である。英語で軽やかにかまさないとならんのだし。
なんだか、こういうところでチームや職場に溶け込んでいけるか、に関わってきそう。
やっぱ自分はそういうところでうまく返せてなくて、相手もあんまりコミュニケーション取りにくい/取る気にならない、ように感じてる。
少し苦手意識持っちゃっている。この辺りは会った時に限らないけれど。
後はランチタイムかな。混じるのにほんのすこしだけハードルを感じるようになっちゃった。
プロフェッショナルに仕事を遂行するのにそういったものが上位に来ることはないし、苦手意識も自分の考えすぎなところもあるとは思う。
けどやはりもう少しナイスになれた方が、こちらの文化では特に受け入れられやすいだろうな。少しずつ、自然なナイスになりたいものだ。
端的にまとめるなら
欧米圏はナイスな文化で、日本は失礼のない文化
なんだろうなと、感じていたことを言葉にしてみた。